Chainloop Your Life.は台湾の男性ファションブロガーであり、講師であり、コンサルタントでもあり、PinkoiのデザイナーとしてChainloopというブランドも立ち上げている人物です。
何ごとにおいても常に「間違いない」という概念を持ち、行動している彼。今日は、そんなChainloop Your Life.と一緒に、ファッションに関する見解を広めていきましょう。
出典:@chainloop
>>かつては理工オタクだそうですが、ファッションに興味を持ったのは?
大学の先生の一言が、必ずしも流行を追う必要はないということに気づかせてくれたんです。
彼は幼い頃から周りからどう見られているのかを気にし、流行を常にフォローして、かっこよくなりたいと思っていたと言います。「ファッションスタイル」を意識したのは、大学生の頃。ある日、先生に「見た目は良いけれども、服と合っていないようだ」と言われたんだとか。そのときに、トレンドを追うのではなく、自分に似合うものを選ぶことの大切さに気づかれたのです。そこからは、自分に本当に似合うスタイルを模索するようになりました。
▲「自分のスタイル」を意識し出してからは、「日本のファッション雑誌を見ていても、流行にとらわれない、様々なスタイルがあることに気づいた」のだそう。
>>どのようなところからインスピレーションを受けていますか?
ファッションではなく、カルチャー。
着こなしには、様々なスタイルがありますが、全て『カルチャー』から始まると思うんです。ある時代、ある民族、もしくは自分の趣味など。
彼は以前のファッションスタイルは、好きだった音楽と大きな関係があったと言います。タイトなパンツは、当時好きだったイギリスのロックバンド「The Kooks」に影響を受けて。
「当時多くの人はタイトなパンツは女性的だ、というイメージを持っていましたが、僕自身はブリティッシュロックが大好きでしたから。」
インスピレーションを受けるものがなければ、まずは好きなアイドルを真似することもファッション初心者さんにはおすすめだそう。
出典:fanpop
▲ 当時のThe Kooksはタイトなパンツをステージで履いていました。
特定のカルチャーからファッションを考える場合、その時代を掘り下げ、当時のライフスタイルを見てみることも必要です。
例えば、ミリタリーファッションが生まれたのは、第二次世界大戦後。兵士たちが残した軍服が市場に出回り、トレンドの一つになっていったのです。
▲インタビュー当日は、カジュアルなファッションに身を包んで。普段からアクセサリーやスカーフを取り入れ、コーデに統一感を持たせる工夫をしています。
>>コーデを考えるうえで、大切な原則と注意事項を教えてください!
TPOをしっかり守ってさえいれば、コーディネートに正誤はありません。背が高い・低い・太っている・痩せていることに関しての制限はないと思います。
TPOはコーディネートを考えるうえで、もっとも重要なこと。TPOとは、Time(時間)、Place(場所)、Occacion(場合)を略したもの。
彼がよく聞かれる質問を下記にまとめてみました。
>>統一感をもたせる
洋服にのみ気遣っている人もいますが、靴と髪型も重要な要素。髪の毛をセットするのが面倒であれば、帽子を被るだけでも◎
日常生活においてTPOを意識する場合は、自分だけではなく他人にも快適に過ごしてもらう必要があります。例えばサラリーマンの場合、カジュアルな服装であれば、仕事の終わりの飲み会で友人と楽しむのには適していますが、職場で同じ格好をしていれば周りから違和感を覚えられることでしょう。
職場と飲み会の場、両方に適した格好をするのであれば、カジュアルなシャツに、薄手のジャケットがおすすめ。もしくはネクタイを外してボタンを開けるだけでも、簡単にカジュアル感を出すことができます。
>>少しずつ取り入れる
おしゃれ初心者さんは、一気におしゃれにしようと思わず、ちょっとずつ新しいものを取り入れることが大切。
例えば、「無印良品」風のスタイルは、誰もが失敗せずに取り入れられるスタイルです。
注)最初は、アクセサリーを付け過ぎないように注意を。
>>基本的な比率
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トップス
男性であれ、女性であれ、失敗しないトップス選びは「肩のライン」を意識すること。肩のラインに合わせてフィットした服を選ぶことで清潔感を出すことができます。
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ボトムス
ボトムスを選ぶ上で大事なのは、ウエストの高さ。適切な丈のパンツを選ぶことで、足を長く見せることができます。特に男性の場合は、股関節の骨の上にウエストがくるようにパンツを履くとちょうど良く見えます。
>>エンジニアから転進しようと思ったのは?
「独立自体は、実は昔から考えていたんです。
大学時代はファッションに夢中になっていたので、もともと起業したいという想いはあったんです。ただ、何年か社会人としての経験をしてから自分でやりたいな、と。
ところが、リーマンショックやIT業界の低迷などに遭遇してエンジニアとしてやっていくのは難しいと感じるように。であれば、最初から創業しようと思ったんです。」
「創業当初は、Tシャツのデザイン、ショップの内装、工場探しなどは全て自分で行っていましたが、想像していたよりは大変ではなく…。ただ、全て整ったあとに、アイテムが少なすぎることに気づき、セレクトショップとして他のブランドの商品を扱うようにもなりました。当時は商品を集めるのが一番大変でしたが、それによってお客様には私のショップのスタイルを感じてもらえるようになったかと思います。」
>>台湾におけるファストファッションの進出は、Chainloopにどのような影響を与えたのでしょうか?
「ZARAやUNIQLOなど、通常より安い価格のブランドが増えてから、台北の東区は活気的になり、アパレル業界も元気になっていきました。
もともと台湾人のブランドロイヤリティは高くなく、外国ブランドの参入は、小売ブランドの消費モデルを大きく変えました。」
「昔は “Made in Taiwan”を誇りに思っていましたが、次第に台湾のブランドを大切にしないようになり、台湾ブランドが消えていきました」と、当時を振り返ります。
「中小規模のアパレルショップは消費者のニーズを汲み取ろうとしますが、それが次第に困難なことになっていったのです。」
Chainloopも当時アパレルショップとして展開していくのは難しく、ネットショップでの展開のみに絞ることを決めました。
>>読者に伝えたい概念とは?
ライフスタイルがファッションにも影響します。
インタビュー終了後も、彼は「カルチャー」こそが、コーディネートの本質であると言い続けていました。カルチャーは、ライフスタイルに由来しますが、自分なりのスタイルを確立するためには、生活のなかで最も大切にしていることは何か?どんな人になりたいのか?自分が好きなものは何か?など、何を着るかだけにポイントを置く必要はありません。
ブロガー、そして様々な肩書きを持つ彼。外見を変えたいという相談を受けたときには、必ず「何をするのが好きなのか?」ということを聞き出し、ライフスタイルに合ったファッションを提案するようにしています。それによって、相談者にとっても実用的で使いやすいコーディネートを選ぶことができるようになります。
ファッションの定義に関しては、人それぞれに異なる想いがあると思います。
そんななかでChainloop Your Life.が伝えたいのは、「トレンドは廃れていくが、カルチャーとライフスタイルは廃れない」ということ。どんなスタイルであっても、自分を見つめ、自分らしさを発信していくということが大切です。「自信」を忘れないようにしてください。
自信を持っていれば、自分らしいスタイルを確立することができるはずです。
原文:穿搭達人「圈入準」的時尚偏執:我穿搭的不是服飾,而是文化與生活態度。
翻訳:Ayumi