いつか、多種多様で美しいイラストレーションがあふれる都市に暮らしてみたいですね。
2021年に10周年を迎えたPinkoiは、日本をはじめアジアを中心に大きな注目を集めている人気イラストレーター、Noritake氏をお招きし、Pinkoi10周年を記念するスペシャルプロジェクトのひとつ「Pinkoi × Noritake 限定コラボレーション」を始動いたします。
今回、Noritake氏はPinkoiのために「In The City」をテーマとし、東京、台北、香港の3つの都市をモチーフにしたイラストを描き下ろしました。さらにはパントン・カラー研究所に定義されたPinkoiブランドカラー「Pinkoiネイビー」と「Pinkoiサーモンピンク」を用いたコラボレーションアイテム「Pinkoi × Noritake コレクション」の商品開発も監修していただきました。Noritake氏の代表的なイラストキャラクターが、Pinkoiの10周年を一緒に祝ってくれます。
東京・Lucky Cat Boy
そっと前足を上げて、幸運を引き寄せる招き猫。この縁起の良い猫は古くから人々に愛され、日本だけではなく海外でも幸運のシンボルとして愛されています。招き猫の発祥地のひとつとも言われている、東京都の豪徳寺。境内にはたくさんの招き猫が奉納され、人気スポットにもなっています。男の子が自ら招き猫に扮して、皆様の幸せをお祈りしています。
台北・Soup Dumpling Boy
味わいと職人の技が見事に融合した台湾フードといえば、薄皮で仕上げられたジューシーな小籠包。台北をイメージするイラストには、ジューシーな小籠包を夢見て、思わず口角が上がる男の子が。台湾の代表的なグルメはお腹を満たすだけでなく、心も豊かにしてくれます。
香港・Pawn Shop Boy
かつて香港の街を彩っていたネオンサインは、“眠らない街”の象徴として街中でまばゆい光を放っていました。その中でも一際目を引くのが、コウモリのシルエットの吊り下げ式看板。「押」とは質屋の意味で、70〜80年代の香港人のライフスタイルを表し、香港の歴史と文化のなかでも重要なものの一つになっています。看板からのぞく男の子がゆっくりと周りの風景を鑑賞することの大切さを私たちに教えてくれます。
Noritake氏のファンの方はもちろん、アートやデザインが好きな方、トレンドに敏感な方たちは、Noritake氏の素顔が気になるのではないでしょうか。イラストレーターとしてのキャリアをスタートするきっかけは?デザインに対する想いやそのライフスタイルは?癒し系イラストレーターのNoritake氏に、都市やデザイン、ライフスタイルにまつわるお話をたっぷりと伺いました。
▼ 目次 ▼
▐ Noritake × デザイン▐
大人になって、いろいろな選択肢が無くなっていく中で、最後に残っていたのが絵を描くことだったのです。
Q1. Noritakeさんはいつ頃からアートやデザインを好きになったのですか?イラストレーターの道を選んだきっかけは何でしょうか?
小さい頃から絵を描くことが大好きでしたね。家族や友だちも褒めてくれて、嬉しくて、見せるために描いていました。それから、ゲームやスポーツに夢中になったり、絵以外にも楽しんだりしている10代でした。大人になって、いろいろな選択肢が無くなっていく中で、最後に残っていたのが絵を描くことだったように思い返します。イラストレーターになったのは、本屋さんで働いていた時に、オーナーから依頼されて描くようになって、徐々に仕事としてお受けするようになっていったからですね。
Q2.Noritakeさんには、好きなクリエイターや尊敬する人はいますか?イラストレーター以外のキャリアに興味を持ったり、憧れたりしたことはありますか?
詩人の北園克衛が好きです。アーティストだとDonald Judd、Sol Lewittが好きですね。 イラストレーターだと、Mats Gustafsonが好きです。 詩人やアーティスト、ミュージシャンには憧れますが、自分に向いているのは今の仕事だと思います。本屋さんは昔働いていたので、今も興味はありますね。
▐ 旅 × ライフスタイル ▐
イラストの中で描く人物像については、私の理想が描かれているのだと思います。
Q3.Noritakeさんが日常で習慣にしていることはありますか?創作のインスピレーションが湧く瞬間はどんな時ですか?
日常で気をつけているのは健康ですね。描くことに集中してしまうと、夜遅くまで仕事をしてしまうから、毎日決まった時間に寝るようにしたり、あまり太りやすい食べ物を食べ過ぎないようにしたり。みんなが当たり前にしていることが気をつけないと疎かになるタイプなので、注意しています。
創作のインスピレーションが湧くのは、依頼をいただいた時、ですね。もらった情報をイメージして、すぐに頭の中にイメージが浮かぶことが多いです。あまり、考え込まないイメージの方がうまくいくような気がします。
Q4. この一年、コロナの影響により、オンラインショッピングの需要は増加傾向にあり、人々の新たな生活の一部となりました。Noritakeさんもオンラインでお買いものをすることはありますか?
最近、オンラインではあまり買いものしなくなりましたが、レコードを買うことが増えました。レコードプレーヤーでゆっくり音楽を聴くのは楽しい時間です。
Q5. NoritakeさんはよくSNSで旅先での写真を投稿されていますね。ずばり旅はお好きですか?これまでに訪れた場所を教えてください。
旅は好きですね。最近は国内しか旅していませんが、海外も行きたいですね。今までに行った場所は、香港、台湾、韓国、サンフランシスコ、ニューヨーク、ハワイです。
Q6. 一番記憶に残っている、最も美しい“都市の風景”は何ですか?
ニューヨークのグランド・セントラル駅は美しいと思いました。屋内の大きな広場が印象的でした。
Q7. Noritakeさんのイラストは、ご自身の生き方や旅の経験からインスピレーションを得ているのでしょうか?
イラストの中で描く人物像については、私の理想が描かれているのだと思います。やさしく、ゆったりとした性格に見える人を描くことが多いです。それは、私がそうありたいと生きているからでしょうね。
旅の経験をイラストの中に含ませていくことは、実際はあまりなくて、旅ではイラストのことはあまり考えないで、リフレッシュしたり、その景色や交流を楽しむだけにしています。
Q8. Noritakeさんにとって、理想的ですてきなライフスタイルとはどのようなものでしょうか?
朝になったら起きて、散歩をして、午前中に仕事をある程度終わらせて、午後も少し仕事をして読書、散歩などをして、夜はゆっくりして、早めに寝るという感じです。近くに木の多い広い公園があるといいですね。
▐ Noritake × Pinkoi▐
Noritake = 私
Pinkoi = 良いパートナー
Q9. 今回の「Pinkoi × Noritake 限定コラボレーション」では、“都市”をテーマに、東京、台北、香港の3つのイラストを描いていただきました。 この3都市の中では、東京が最も身近な都市かと思いますが、香港と台北へは行ったことがありますか? この3つの都市のイメージを教えてください。
東京は面白いですね。大都市のようなエリアから少し離れると下町のようなエリアがある。明治神宮や新宿御苑などの緑が充実した場所もある。美術館、ギャラリーも多いです。様々な表情をもつ都市だと思います。日々の気分で行きたい街を変えることができるので、飽きることがないですね。
台北には何度も行っています。仕事で行くことが多かったですが、合間に大きな店から小さな店、そして夜市や古道具屋・古本屋にも行ってみたり。高級なホテルにも泊まらせてもらいました。様々な文化が今昔で混ざり合っていて、刺激的でした。九份から眺めた街の景色は美しかったです。
香港は一度だけお仕事で行きました。都市部にしか行っていないのですが、高層ビルが密集していて、ネオンがまぶしく、そして人々がすごく働いている、というイメージ。昼のオフィス街はビル風が気持ち良かった記憶があります。もう少し地方の方にも行ってみたかったです。
Q10. Noritakeさんの思い描く、都市、デザイン、ライフスタイルを、今回の「Pinkoi × Noritake 限定コラボレーション」のイラストにどのように反映したのでしょうか。
素直に描くことは、どんなテーマでも共通して行っています。今回もそういう考え方で、素直に各都市のモチーフと人のイラストを良いバランスで構成しようと考えました。
Q11. Noritakeさんの作品はモノクロドローイングが特徴ですが、今回のコラボレーションでは、Pinkoiのブランドカラー「Pinkoiネイビー」と「Pinkoiサーモンピンク」をイラストやコラボアイテムのデザインに使用していただきました。Noritakeさんにとってこの2色にどのようなイメージをお持ちですか?
ピンクは幸せ。ネイビーは優しさ。そういうイメージです。
Q12. この7つのキーワードを一言で表現すると?
- Noritake = 私
- Pinkoi = 良いパートナー
- Pinkoi ネイビー = 優しさ
- Pinkoi サーモンピンク = 幸せ
- 都市 = たくさんの人
- デザイン = 整理すること
- ライフスタイル = 穏やかに暮らす
▐ 10 年の軌跡▐
10年前の自分には「それでいいので続けてください」と言います。
Q13. NoritakeさんはPinkoiに対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?
この10年でビジネスの仕組みは大きく変わったと思います。そういう中で拡張することだけでなく、一定の品性をもった世界観を作っているイメージです。
Q14. この10年間で、世界の急速な発展と都市の文化の変化により、Pinkoiは大きく変化しました。Noritakeさんにとってこの10年はどのような時間でしたか?創作活動の方向性や美学などに変化はありましたか?
2011年に日本では東日本大震災がありました。その衝撃で絵を描くことが止まった時期があります。考えた末に、今の作画の特徴であるモノクロの線でシンプルなモチーフを描くスタイルなら描けると考えるようになりました。今も変化の途中ですが、10年前が大きな変化の起点だったと思います。
Q15. 10年前の自分に一言伝えるとしたら、何と言いますか。また、10年後のご自身の人生や創作活動について、どのように想像していますか?
10年前の自分には「それでいいので続けてください」と言います。10年後についてはわからないですが、絵を描いて、たまに旅をして、ゆっくり日常を過ごしていたいです。
そしていつか、多種多様で美しいイラストレーションがあふれる都市に暮らしてみたいですね。
Q16. 最後に、イラストレーターになるための条件とは何だと思いますか?今の若い世代のアーティストに向けて、ぜひアドバイスをお願いします。
イラストレーターになったのは偶然のような気もしますが、偶然を繰り返して、何かになるのだと思います。それを後で必然と言うのかもしれません。言えるのは、最初はすぐに仕事にはならないと思うので、描き続けることだと思います。誰かに見てもらう機会は作らなくてはいけないとも思います。
今は、イラストレーターの作品を、たくさんネットで見ることはできると思いますが、そういう仕上がった作品を参考にするのは良くないと思います。私のイラストも真似しない方がいいですね。自分の中でスタイルや考え方が育っていく過程を楽しんで、長く描いていけるほうが幸せだと思います。
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Pinkoi × Noritake 限定コラボレーション
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▐ Noritake プロフィール▐
日本の人気イラストレーター。広告、書籍、雑誌、ファッションなど、シンプルなモノクロドローイングで描かれた作品で知られています。作品の中に何気ない日常を表現し、人々の心を癒してくれます。イラストの他にもデザインやディレクション、作家活動も行い、文房具や出版物なども幅広く発表しています。2001年に初めて個展を行い、その後もアジアを中心に世界各地で作品を発表したり、個展を開催したりと、人気を集めています。世界中から注目を浴び続けているNoritake氏は、あまりカメラの前に出ないようにしているとか。なぜなら、彼から生まれる作品に集中してほしいからだそうです。