Pinkoiを普段から愛用されている、モデル・俳優の千國めぐみさんによる連載「台湾チックな、ちくに時間」(全3回)。vol.1の台湾コスメ、vol.2の台湾茶に続き、最終回となる今回は、台湾茶ブランド「等等」の創業者・林俐さんにオンラインでインタビュー。千國さんもハマっているという台湾茶のことについて、たっぷりお話を聞いてみました。台湾茶好きのみなさん、ぜひチェックしてみてください。
印象に残った台湾茶の香りを届けたい
千國 「味わい深く、お茶の種類も豊富な台湾茶。私も台湾を訪れてから、すっかりその魅力にハマってしまいました。そんな台湾茶のことをもっと知りたい!ということで、今回はパッケージもかわいい台湾茶ブランド『等等(デンデン)』の創業者・林俐さんにお話を伺います。よろしくお願いいたします」
林 「こちらこそ今日はよろしくお願いいたします!」
千國 「さっそくですが、林さんが台湾茶ブランドを立ち上げようと考えたのには、どういったきっかけがあったんですか?」
林 「『等等』には、私と一緒に創業したパートナーがいるのですが、そのパートナーの両親が茶畑を経営していたんです。彼らが淹れてくれたお茶は、本当に味わい深く、香り高くて。リタイアを考えているという彼の両親に代わって、私たちがもう一度このお茶を市場に出したいと思ったところから『等等』がスタートしました」
千國 「ブランド名の『等等』という響きもかわいいですよね。どんな意味が込められているんでしょうか?」
林 「『等等』というのは、中国語で『待つ』という意味なんです。お茶を淹れるうえで、最も大事なのは『待つ』時間。ゆったりと心を落ち着け、その時間を大切にしてほしいという想いを込めています。
おみくじとお茶を掛け合わせたのも、待つ時間を有意義に、そして心穏やかに過ごしてほしいという気持ちから。お寺に行っておみくじを引くときって不思議と心が静まりますよね。その感覚を日常でも味わってほしいと思ったんです」
千國 「おみくじを引く文化は、台湾も日本も一緒なんですね。私もいろんな味わいのお茶が楽しめるおみくじティーバッグがお気に入りなんです」
林 「それはうれしいです!私たちが主に取り扱っている、『四季春、坪林包種、 阿里山金萱、 阿里山金萱、蜜香紅茶、焙煎金萱、翠玉、冬片』という8種類のお茶が楽しめることから『等等』のなかでも人気のアイテムなんです。どのお茶が自分の好みかを知るために、まずはいろいろな味わいのお茶を試してみたい!という人にもおすすめです」
千國 「台湾茶ってたくさん種類があって、どれを選べば良いか悩んでしまうんですが、これは感覚的に選べるのが良いな、と。お茶に詳しくなくても、その日の気分で手に取れます」
林 「箱に入ったティーバッグセットも人気です。どちらも8種類のお茶が味わえるということで、みなさん飲み比べを楽しんでくれているようです」
千國 「パッケージもとってもかわいいですよね。やはりこだわりが?」
林 「最初はイラストや写真を入れたパッケージデザインも考えていたのですが、おみくじの素朴な感じを出したいと思い、落ち着きのあるシンプルなデザインに。
ティーバッグのなかにお茶と一緒に入っているおみくじは、実は61種類あるんですよ!おみくじの紙質にもこだわっていて。実際にお寺で引くおみくじに近い質感の紙を選んでいます」
千國 「そんなにおみくじの種類があったんですね!今日のお茶を選ぶのが、さらに楽しみになりそうです」
台湾茶をもっと楽しむためには?
千國 「私は普段、ティーバッグを使っているのでタンブラーに入れて持ち歩いたり、お家ではティーポットで淹れたりして楽しんでいるんですが、台湾茶を茶葉から飲むとしたら、おいしく淹れるコツってあるんですか?」
林 「台湾茶の特徴は、その発酵度合い。同じ品種の茶葉でも発酵度合いや製法によって味わいは変わってくるんです。そんな台湾茶をおいしく淹れるには3つのポイントがあります。
- 水
- 温度
- 茶葉の量
まず、水は軟水がおすすめ。そして温度はお茶の発酵度合いによって決まります。発酵度合いが高ければ高めの温度で、発酵度合いが低ければ低めの温度で淹れることでお茶本来の味わいが楽しめます。茶葉の量は形状によって異なってきます。丸い粒状の茶葉の場合はティーポットの1/4くらいまで、細長い条状の茶葉の場合はティーポットの2/5くらいまでお湯を注いでみてください。そして、じっくり2〜3分ほど蒸らして茶葉が開くのを待ちます。
年配の人たちは本格的な茶器でじっくりと時間をかけてお茶を楽しんでいますが、最近は台湾でもティーバッグが主流に。お茶の飲み方はライフスタイルとともに変化してきていると思います」
千國 「なるほど……。知れば知るほど、奥が深い世界ですね。
紅茶だとレモンを入れたり、ミルクを入れたりすると思いますが、台湾茶でもそういったアレンジ方法ってあるんでしょうか?林さんのおすすめがあれば知りたいです」
林 「青茶(烏龍茶)や蜜香紅茶はレモンを入れて飲むのがおすすめです。蜜香紅茶は、茶葉を鍋から煮出してもおいしいですよ。そこにミルクを加えれば、濃厚なミルクティーに。冷めてから蜂蜜を加えると、よりまろやかな味わいになるので、ぜひ試してみてください」
千國 「いろんな楽しみ方があるんですね。最近では、日本でも台湾茶がスタンダードになってきた気がします」
林 「日本でも台湾茶がブームになっているんですね。台湾茶に関わる者として、とてもうれしいです。
なかなか日本にはリアルなショップを構えられませんが、落ち着いたらぜひ台湾にある『等等』のスタジオにも遊びに来てください!本格的な台湾茶を振る舞いますから」
Pinkoiを通じて楽しむお客様とのコミュニケーション
林 「普段、お客様と直接お話する機会ってほとんどないので、今日はとても貴重な機会になりました」
千國 「私も好きな台湾茶のデザイナーさんと直接お話する機会がいただけてうれしかったです。
普段はPinkoiでのオンライン販売がメインになっているかと思いますが、印象に残っているエピソードなどはありますか?」
林 「購入してくれた方々が書いてくれるコメントを読むことが毎日の楽しみになっているんです。日本人のお客様のなかには、文頭に『你好』、文末に『謝謝』とわざわざ書いて送ってきてくれる方が多くて。『コミュニケーションを取りたい!』という気持ちが伝わってきて、温かい気持ちになれます」
千國 「いつか対面でも購入できるようになればうれしいです!
最後に……、林さんにとって『台湾茶』って、どんな存在ですか?」
林 「私にとって台湾茶は、自分のふるさとを意味するもの。台湾茶があってこその『等等』だと思っています。日常生活、そして仕事を支えてくれている台湾茶に感謝の気持ちを持ち、これからもそんな台湾茶を多くの方に飲んでもらえるよう広めていきたいですね」
今回の「等等」のお話を聞き、千國さんもさらに台湾茶への関心が高まったよう。種類豊富で、発酵の度合いで味わいのグラデーションを楽しめる台湾茶は、日本茶とはまた違う魅力がありますよね。
ぜひ台湾茶を通じて、台湾文化までを感じてみてください。
全3回にわたってお届けした、千國めぐみさんによる連載「台湾チックな、ちくに時間」いかがでしたか?Pinkoi愛用者の千國さんならではの目線で、様々な台湾のアイテムをご紹介いただきました。 “台湾チック”な豊かな時間に触れながら、Pinkoiでお気に入りを見つけてみてください。
プロフィール
千國めぐみ | Megumi Chikuni
モデル・俳優。「mina」(主婦の友社)、「美的」(小学館)、「CLASSY.」(光文社)、「InRed」(宝島社)、「steady.」(宝島社)、「MAQUIA」(集英社)、「VoCE」(講談社)などで活躍中。 美容、特にスキンケアの知識や情報にとても精通しており、化粧品成分検定や漢方養生指導士など様々な資格を保有している。
写真:1枚目、3枚目、プロフィール
衣装/ブラウス:ルーズブラウス(pou)、その他本人私物
撮影/鈴木 友莉
ヘアメイク/菅長ふみ(Lila)
連載 Vol.3:
ライター、編集/Ayumi(Pinkoi)
通訳/Jessica(Pinkoi)