2011年、「世界中のデザイナーの力になりたい」と思い立った台湾生まれの3人が立ち上げたオンラインショッピングサイト、「Pinkoi(ピンコイ)」。
「良いデザイン、良い暮らし」をコンセプトに台湾でサービスを開始し、創業から約7年後の今、会員登録数は約215万人、取り扱う商品数約100万点、世界93ヶ国へ商品を発送するアジア最大級のデザイナーズ商品のショッピングサイトになりました。
そんなPinkoiで今CEOを務めるのがPeter Yen(ピーター・イェン)。以前CUSTOMIZE PLUS magazineでインタビューしていただいた記事を、再構成・公開しました。Pinkoiってどんな会社? 少しでも感じてもらえたら嬉しいです!
1. 台湾で人気爆発中のデザイナーズアイテムのショッピングサイト「Pinkoi」
— ご自身、またPinkoiについてのご紹介をお願いします。
Peter:
私はPeter Yen(ピーター・イェン)、Pinkoiの共同設立メンバーの一人で現在、CEOを務めています。Pinkoiは約7年前、私を含む、Maibelle Lin(マイベリー・リン)、Mike Lee(マイク・リー)の3人で設立しました。
Pinkoiはオンラインショッピングサイト兼コミュニティーサイトです。ユーザーはPinkoiのショッピングサイトを通して、商品を購入ができます。またデザイナーの方であれば自身の商品をPinkoiへ出品し、出品者として販売することができます。
Pinkoiは、「デザイナー、作家たちのブランドの認知力を高め、彼らのビジネスの手助けをする存在になる」というビジョンをもっています。
アジアの才能あるデザイナーの方々がPinkoiという一つのコミュニティーに集まり、デザインが好きな方、デザインのあるライフスタイルが好きな方、そんな人たちがPinkoiに訪れた際に彼らの欲しい商品が見つかるようなサービスを提供できるように日々、奮闘中です。
2. 「デザイナーの力になりたかった」3人の物語
— 起業のきっかけはどのようなものでしたか?
Peter:
Pinkoi設立のきっかけは、私を含む、Maibelle、Mikeの3人が「才能あるデザイナーのために何かできないだろうか」と同じ情熱を抱いていたことでした。
私とMikeはエンジニアで、Maibelleはイラストレーター兼デザイナー。Maibelleがデザインを作り、私とMikeがサイトを構築するといった形で、Pinkoiの元となる「デザイナーのためのオンラインプラットフォーム」を作り、3人でPinkoiをスタートさせました。
3. 実は日本語が由来?のネーミング
— Pinkoi(ピンコイ)という名前の由来についてご紹介頂けますでしょうか。
Peter:
まずサービスを始める前、オンラインショッピングを楽しんでいるのは80%以上が女性」という点に着目しました。なので、ロゴのデザインを考え始めた時、「まず女性の目に止まるロゴにしよう。ならば、女性らしさを表す色を探すのはどうだろうか」というところから考え…。そして、3人で考えついた色が「ピンク」でした。
そして次は「どのようなネーミングにしようか…」と悩んでいました。
ネーミングに悩んでいた日々、私たちは「将来の私たちのサービスの市場」について考えました。そこで英語圏の北アメリカは非常に大きなマーケットになると感じていましたが、同時に日本も非常にポテンシャルのあるマーケットだと感じていました。
そこで「英語だけではなく、日本人にとってわかりやすいように日本語も取り入れたネーミングにする必要がある」と考えついたんです。私たちはロゴのネーミングを決めるにあたり、英語と日本語、両方の意味をもつネーミングや言葉を探し始めることにしました。
そこで出てきたのが「こい(Koi)」という言葉でした。
なぜなら、日本語の「こい」は、「鯉(*魚)」と「恋」の2つの意味があり、また日本語の「恋」は英語で「LOVE」を意味するので、ユーザーの方に才能あるデザイナーが手がける商品を「愛して」欲しいという想いをもっていたので、「こい」という言葉がちょうどいいと考えたのです。
そして、
●ロゴに使う色は「ピンク(Pink)」
●ネーミングは日本語で「鯉」と「恋」の意味をもち、英語では「LOVE」の意味をもつ言葉の「こい(Koi)」
●シンボルは鯉をモチーフにした「魚」
→ すべてを結びつけ「Pinkoi(ピンコイ)」という名前が生まれました。
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4. 創業時に頭を悩ませた「発音の違い」
— Pinkoiをスタートした当時のエピソード、特にPeter氏の中で記憶に残っている出来事は?
Peter:
私たちがサービス名を正式にPinkoiと決めサービスを開始した直後、台湾人のお客さまからネーミングについての不満を聞くことが多かったのです。「Pinkoiという名前が覚えられない」と(笑)。
そこでハッと気づいたのです。Pinkoiの「Pink」と「Koi」は日本人やアメリカ人にとっては理解しやすく、また発音しやすいものであるのに対して、ここ台湾ではそれが正反対ということに。つまり、せっかく考え抜いたネーミングも、台湾人にとって「Pinkoi」という名称は理解しにくく、発音の仕方すらわからないものだったのです。
中国語版Aboutページには発音についても書いてあります
特に台湾人にとって「そもそもKoi(こい)とは何?」という状態だったので、スタート当時はPinkoi(ピンコイ)のことを「ピッキー」 「ピンコー」と呼び、誰も正しく発音してくれませんでした(笑)。しかし7年後、今では誰もが正しく「ピンコイ」と呼んでくれるようになりました。後編に続く…
後編では台湾のハンドメイドシーンについて、そして台湾のデザインの特徴についてPeterが語ります。お楽しみに♡
インタビュー、執筆:高橋政裕
出典:台湾発・オリジナルデザイングッズショッピングサイト「Pinkoi」CEO・Peter Yenインタビュー
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