兵庫県と京都府にまたがる丹波地方の気候を利用して育てられた「丹波黒大豆」や「丹波大納言小豆」を使い、無添加ジャムや野菜ソース、黒豆茶などを販売する「霧の朝」。豆の味わいがしっかりと感じられるアイテムの数々は、パッケージデザインもおしゃれで思わず手に取りたくなるものばかり。
今回は、そんな「霧の朝」を展開する丹波農産株式会社の大西さんに、ブランドとして大切にされていること、そして商品開発までの秘話などを聞いてみました。
風土とともに、人々とともに。
2001年に、兵庫県丹波篠山市で創業した小さな豆問屋・丹波農産株式会社の新たな取り組みとして生まれた「霧の朝」。
「もともと丹波農産株式会社では20年近く、地元の農家さんが栽培する丹波黒大豆や丹波大納言小豆などを取り扱ってきました。ただ、時代の流れとともに、お正月でも丹波の黒豆が食べられなくなってきて……。加えて、量販店では価格優先の販売がされるように。ニーズと地域産品としての取り扱われ方が大きく変わってきたことに加え、素材の作り手の高齢化に、担い手不足、また気象の変化による不作続きと取り巻く環境も大きな課題を抱えるようになりました。
そういった課題を解決したいという想いから、2018年に立ち上げたのが『霧の朝』でしたと、ブランド設立の経緯を話してくれた大西さんに、ブランドとして大切にされていることを伺うと……
・生産者との対話を大切に、産地(作り手)に寄り添うこと
・素材をできるだけ素直に、そして現代の生活にも合うように使い手に提案すること
・地域のものをよりよいかたちで、次世代へつなぐこと
という3点をあげてくれました。
現代の食卓にも取り入れやすいデイリーユースな商品に「素材らしさ」をぎゅっと詰め込み、若い世代にも丹波の黒豆の魅力、そして素材が生まれる地域の魅力までを届けたいと考えているのだそう。
「使い手(消費者)の方々のことを考えることはもちろんですが、足元を支えてくださっている農家の方々をはじめ、地域の人々の想いと営みに寄り添いながら、対話を大切に地域とともに次世代へ歩んでいきたいと考えています」
その想いが、ブランドコンセプトとしている「風土とともに、人々とともに。」という1文にも込められているのが伝わってきます。
素材の味わいを素直に伝える商品を
「霧の朝」の商品に関しては、シンプルな味わいとデザインにこだわったという大西さん。
「地元の農家さんから集めた丹波黒大豆の味わいを素直に味わってもらえるよう、添加物を使用せず、長年の経験から培われた確かな技術を持たれた作り手の方々に協力を得て、商品を仕上げています」
なかでもおすすめの商品を聞いてみたところ……
・丹波黒大豆ジャム
「まず食べてほしいのが、『丹波黒大豆ジャム』。丹波黒大豆、てんさい糖、食塩という本当にシンプルな原材料で作ったジャムなんです。添加物を使用していない分、人の手でじっくりと炊き詰め、素材の味わいを引き出しました」
素材そのものの味わいと、丹波黒大豆の特徴の一つであるもちっとした食感も楽しめるのが魅力。昔からお正月には、無病息災を願って食べられてきた丹波黒大豆をパン食でも楽しめるのがうれしいですよね。
最初は、「豆のジャム!?」なんて驚かれていたお客様からも、「豆の味がちゃんとしておいしい!」と喜ばれているんだとか。
・野菜ソース 丹波黒大豆とたまねぎ
「これからの暑い時期にもぴったりなのが、『野菜ソース 丹波黒大豆とたまねぎ』です。天然酵母と四季をまたがせる長期熟成など伝統的な製法を取り入れ、国産丸大豆をはじめ原料にもこだわっているという老舗醤油蔵が作るお醤油に、クラッシュした丹波黒大豆と国産のたまねぎやキャベツをたっぷり入れたドレッシング。
丸大豆醤油のコクや香り、国産野菜の旨みが凝縮された1本は、サラダはもちろん、ステーキや揚げ物、オクラや冷しゃぶのソースとしてもお使いいただけます」
これ一本あれば味付けに困らない!万能なアイテムです。
・丹波黒豆茶
「丹波篠山市産の丹波黒大豆のみを贅沢に使用し、丁寧に炒った黒豆の香ばしさとやわらかい味が広がり、丹波黒大豆のうまみをダイレクトに感じる『丹波黒豆茶』。ノンカフェインでホットはもちろん、これからの暑い時期はアイスでもおいしく召し上がっていただけます」
1パックで10杯ほど、たっぷり楽しめる黒豆茶。ティーパック入りなので、手軽に淹れられるのも魅力です。
なかには、「霧の朝」をきっかけに丹波黒大豆をはじめて食べたという方もいるんだそう。上品なパッケージデザインで、ちょっとしたギフトや手土産にしても喜ばれそうですよね。
「『娘や息子、子ども達がお気に入りで、また買いました』なんていう言葉をいただくと、次の世代にも気持ちよく届いていることが伝わってきて、とてもうれしいですね。 日常生活のなかで食べられることで、次の世代の中にも“丹波の黒豆”が少しでも残り、『お正月の煮豆』のような日本の食文化に繋がるきっかけになればと思っています」
地域の魅力までを伝えていきたい
今後「霧の朝」としてチャレンジしてみたいことを聞いてみると、
「地域の風土をはじめ、商品の裏側や商品に関わる人々までを、お客様に伝えていきたいと思っています。また素材となっている丹波黒大豆の栽培についても、農家のみなさんとともにこれからの時代に合った栽培方法にシフトしつつ、もっと素材自体のこだわりづくりにも取り組んでいきたいと考えています」
と話してくれた大西さん。丹波篠山だけではなく、近隣地域のまだ知られていない魅力ある素材を商品化することも考えているそう。
「Pinkoiを通じて、一人でも多くの方にこの地域の素材をお届けできればと思っています」
今後国内のみならず、海外にも「丹波の黒豆」の文化が広まっていきそうで楽しみです。
プロフィール:
丹波農産株式会社 大西 康太
2017年、父が地元・兵庫県丹波篠山市で創業した豆問屋を引き継ぐためにUターン。2019年に父が急逝し、そのタイミングで代表となる。父が築いてきた黒大豆農家さん達との関係を活かしながらこれからの地域農業の在り方を探る。また2018年に立ち上げたオリジナルブランド「霧の朝」を通じ、これまで届かなかった方々へ地域の素材をご紹介している。
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