Pinkoi Design Awardの「Star賞」を受賞したブランド3社に、Pinkoiを活用した海外市場の開拓についてお話を伺いました。
2011年の設立以来、Pinkoiは「デザインを普遍的な価値とし、日常生活の中に当然のものとして存在させる」ことをミッションとし、常にデザインに焦点を当ててサービスを提供し、マーケットの変化に応じて進化し続けてきました。
デザインがパワーを持つには、より多方面の「デザイン」が必要
私たちPinkoiが多くのブランドの成長を見ていて感じるのは、ブランドイメージ、製品パッケージ、機能的なデザインといったもの以外に、ブランドの「ビジネスモデルのデザイン」や「経営のデザイン」も同様に重要だということ。これらはブランドの安定性に欠かせない要素であり、多くの消費者にブランドの理念や哲学をより広く浸透させるためにも必要不可欠なものです。
2022年にスタートした Pinkoi Design Award では、ブランドのデザイン力や、製品の創造性、品質だけでなく、ブランドの価値や商業的な発展性も重要な評価指標となりました。
今後10年のPinkoiの使命は、アジアのデザインエコシステムを強化し、多くのまだ見ぬ優れたブランドや良質な製品をグローバルな市場に送り出し、市場を活性化させることだと考えています。
今回のPinkoi Design Awardでは、グローバルなパワーをもつブランドや海外市場開拓の経験を持つブランドを選出する「Star賞」を企画しました。彼らの存在が、他のブランドの方向性や考え方にもいい影響を与えられると期待しています。
第1回 Pinkoi Design Award 「Star賞」を受賞したのは、台湾人の誠実でぬくもりある精神をスキンケア製品の研究開発プロセスに取り入れた「daughter」、暮らしの中に台湾茶の美しさを取り入れたいと願う「京盛宇」、スマートスキンケアというコンセプトのもと、若い世代の男女向けコスメを手がける「heme」の3社。海外進出への道や、海外でのマーケティングやプロモーションについて、各社それぞれに異なるストーリーがありました。
地元台湾での経験を、海外進出のエネルギーに
「海外市場を開拓する前に、なぜやるのかを問うべきだ」と話すのは、京盛宇の創業者・林昱丞。多くのブランドにとって、海外進出の目的は顧客基盤の拡大と収益の向上ですが、新しい市場に踏み出すには、大規模な投資と現地の状況に詳しいマーケティングチームが必要です。そのため、まずは地元で足場を固め、熟知した市場で施策を行い、そこで得た経験を次の一歩につなげることが望ましいでしょう。
「先のことは分かりませんが、準備をしておけば、チャンスが来たときにしっかりつかむことができると思います」
コロナ以前は台湾内の大手ホテルと提携し、外国人観光客のお土産として人気を得ていた京盛宇。コロナ流行後は、台湾茶を求める海外客がオンラインで購入するようになり、京盛宇の海外売上は何倍にも増えたのです。
台湾審査員代表の羅申駿も「このブランドの目標は非常に明確で、それは台湾茶の美しさを都市生活の中で皆に身近に感じてもらうことだ。フレグランスメーカーや酒メーカーとのコラボなど、京盛宇は常に台湾茶の持つ新しい可能性に挑戦している」と評価しました。
「daughter」創業者のRonaldも、自分たちのホームでの実績がまず大切だと語る一人。「実際、海外のエージェントはすべてPinkoiを通して私たちのブランドを知り、台湾での実績を見てコンタクトを取ってきたんです」
「海外マーケティングを議論する際にも、台湾での経験は重要な『参考資料』になりました。台湾ユーザーとのコミュニケーション経験をベースに、現地に合ったマーケティング戦略を立てたことで、ブランドの理念や価値観をより多くの海外ユーザーと共有できました」
日本の審査員代表・山田遊は「daughterは、典型的な東洋のデザイン美とシンプルなパッケージデザインによって、ブランドの哲学とピュアなイメージを直感的に伝えている」と評価しました。
「海外のマーケティング方法やリソース、消費動態に詳しくない場合、海外進出は非常に困難です。しかし、Pinkoiは各国に強力なマーケティングチームを持っているので、最適な方法で新しい市場にチャレンジすることができます」と話すのは、hemeの担当者たち。
中国の審査員代表・謝品華は「hemeは、ターゲットとするユーザーを掘り起こし、インターネットとコミュニティの力を活用して、競争の激しい市場で地位を確立することができた」と評価しました。 Pinkoiというプラットフォームを通して、グローバルな市場を開拓し、消費者の関心を取り込むことに成功したのです。
Pinkoiのグローバルブランド・コミュニケーションマネージャー・Abbyは「コロナ禍でオンラインショッピングの発展が拡大しただけでなく、Pinkoiのようなグローバルプラットフォームを通じて国境を越えて買いものする消費者が増えた」と指摘しており、「ブランドがこの機会を利用して海外顧客を増やしデータ収集できれば、今後のグローバルな発展のための良い土台を築くことができるだろう」と大きな可能性を感じています。
受賞ブランドの詳細はこちら:Pinkoi Design Award 2022 受賞ブランドリスト
※本記事は、台湾「Shopping Design」のサイトにて掲載の内容を翻訳・編集したものです。
取材・文/Shopping Design 謝繕聯
編集・翻訳/Pinkoi エディター Nana