応募から審査会議まで、約4カ月間に及んだ2023年 Pinkoi Design Awards。3月31日台北にて、締めくくりとなる授賞式が行われました。今年は「Lifestyle賞」「Star賞」「Culture賞」「Sustainability賞」および「Buyers’ Choice」の5つのデザイン賞を設けており、最終的に合計16ブランドへ授与されました。
他のデザイン賞とは異なり、Pinkoi Design Awardsは「デザイン・質感」×「ビジネス展開」×「サステナブル」の3つのテーマを軸に、世界中のデザインブランドを誘致します。さらに日本・台湾・中国・香港・タイから集まった各分野の専門家による審査とPinkoi会員による人気投票を行い、より優れたブランドを選出します。
## デザインは普遍的な価値である」という信念のもと、潜在的なデザインブランドを発掘する
アジアで影響力を発揮する越境ECプラットフォームであるPinkoiは、設立して12年間、多くのブランドのグローバル化と商業化を促すことに力を尽くしてきました。2022年にPinkoi Design Awardsを設立し、ブランド自身の強みやコンセプト、理念などを世界中の人々に発信できる舞台となること期待しています。そして、ブランドの創造性や美学だけでなく、戦略や事業展開といったビジネス的価値も重視しています。
「デザインは普遍的な価値である」という信念を貫くために、今年も台湾のデザインメディア「Shopping Design」と連携してに、第2回Pinkoi Design Awardsを開催しました。Shopping Designの事業部マネージャ・劉靜茹氏は、「本賞は、両社のデザイン産業に対する関心はもちろん、コミットメントと責任を示すものでもあります。今回の賞を通じて、参加ブランドも受賞ブランドもビジネスにおける実質的なサポートと成果を得られることを望んでいます」と述べています。
第2回Pinkoi Design Awardsでは、日本・台湾・タイから集まった、地域も歴史も異なる合計16ブランドが賞を競いました。二次審査を通過したのは、スキンケアブランド「子有你 ISUNEED」、家具の受注生産専門の「GIAN」、インテリア・文房具ブランド「Unto」など2019年創立の新興ブランドのほか、台湾発のスキンケアブランド「緑藤生機(greenvines)」、「檜山坊」、ジュエリーブランド「mittag jewelry」を含む5〜10年以上のベテランブランドもノミネートしました。
この傾向について、キュレーター・作家を務めている審査員の顧青(中国)は当賞について、「世界中のデザインブランドの豊富性と多様性を表現できる場である」と述べています。同じく審査員のToby Ng(香港)は、「他のデザインアワードと異なり、パッケージやプロダクトだけでなく、ブランド自体の発展性も注目していて興味深い」と語っています。
## 「持続可能」はイノベーションの基本
近年、国際市場においてESG課題が重要視されてきている現状を受けて、今年(2023)のPinkoi Design Awardsでは新たに「Sustainability賞」を設けました。デザイン理念、ビジネス目的および経営目標を追求すると同時に、環境の持続可能性に貢献する取り組みをブランドに推奨していることを示しています。
サステナビリティーは、ライフスタイルと消費の選択肢として近年ますます重要視されています。Pinkoiも、単にブランドのビジネス展開に焦点を当てるだけでなく、持続可能な材料の使用など、ブランド自体がサステナブルな意識を持って社会的責任を果たしているかどうかに関心を持っています。
ADC StudioのクリエイティブディレクターであるKaren Yangも次のように述べています。「これまでさまざまな賞の審査委員を務めた経験がありますが、Pinkoi Design Awardsは他のデザイン賞とは異なり、エントリーしたブランドはすべて実際の市場での販売経験を持っています。ビジネスの成長と潜在能力を含む審査基準があり、他のデザイン賞と比べてもより多角的な評価が可能となるんです。」
今年台湾・台北で開催された「Pinkoi Design Summit」および「Pinkoi Design Awards授賞式」では、セレモニーの他にもトレンド共有、講演会、デザイナー交流会が行われました。Pinkoiは、より多くのブランドの「商業化・規模化・国際化」をサポートし続けるとともに、デザインを人々にとって普遍的な価値であり、日常生活の一部として位置づけ、ライフスタイルをより良い方向に変えていくことを目指していきます。
| 受賞ブランドの詳細はこちら:Pinkoi Design Awards 2023 受賞ブランドリスト
取材・文/Shopping Design
編集・翻訳・校正/Pinkoi Jessica Yen、Dory Nishikawa