台湾のあれこれを紹介するPinkoi台湾カルチャーレポート。今回のテーマは、昔ながらの面影を残すレトロな鉄製の窓「鉄窓」(鐵窗:ティエ チュウァン)。
鉄製の窓と聞くと、日本では物々しい鉄格子の窓を連想してしまいますよね。台湾での「鉄窓」は、人々の記憶に深く刻み込まれた懐かしい存在。暮らしに溶け込んだ「鉄窓」は、今も時おり街角で見ることができます。
台湾「鉄窓」文化の歴史
「鉄窓」は、もともとは防犯目的として取り付けられていました。1970年代に入り、人びとの暮し向きがよくなると、本来の防犯目的以外にも家々を彩る美しい装飾として流行するようになります。職人たちが匠の技を駆使し、家主のこだわりのデザインをひとつひとつ丁寧に仕上げた手仕事の「鉄窓」。そのモチーフは100種類以上あると言われ、芸術性の高い作品もたくさん生まれています。しかし1990年代になると、手間暇かかる手作りの「鉄窓」は、大量生産の画一化されたステンレス製の窓に取って代わられるようになりました。また職人たちの高齢化に伴い、現在ではその姿を消しつつあります。
3人の若者により新たに息を吹き込まれた「鉄窓」
失われつつある「鉄窓」文化にデザインの力で新たな息を吹き込んだのは、大学でデザインを専攻する三人の若者たちです。昔ながらの技術を採用して、職人たちとともに家具という形で伝統的な「鉄窓」を新たに生活の中に組み込みました。モダンな家具に姿を変えた「鉄窓」は、2015年世界最大のデザインコンテストのひとつドイツのレッドドット・デザイン賞の最も優れた作品に贈られるベスト・オブ・ベストを受賞。その魅力に気づかれることなく忘れさられようとしていた「鉄窓」は、今再び脚光を浴びるようになったのです。
懐かしくてちょっと新しい「鉄窓」アイテム
昔懐かしいレトロな「鉄窓」は、今見るとどれも新鮮に感じられるデザインばかり。ひとつひとつが個性的でアートな魅力を放つ魅惑の「鉄窓」の世界を、台湾のデザインアイテムで味わってみて。
レトロな「鉄窓」をモチーフにしたZhiZhiRenのエコバッグ。シンプルなのに、アートさも感じられるかわいいバッグで毎日のお買い物を楽しんで。どこにでも持ち歩きたくなるデザインです。
便利でかわいいagoodayのフードバッグに、鉄窓モチーフのデザインが登場!さり気なく統一されたデザインがおしゃれ。
どこか懐かしい雰囲気が漂うマスキングテープ。レトロなかわいさに心をくすぐられます。ノートや手帳に貼って、オリジナルのアイテムをつくってみて。
鉄窓デザインに、窓からのぞく子猫がプリントされたショルダーバッグ。迷い込んだ路地の先にある、昔ながらの台湾家屋。日常のとなりにある異空間をイメージしてつくられたバッグで、毎日をもっと楽しもう。
レトロな鉄窓デザインを、アロマキャンドルに。HOZ Aromaのデザイナーが、おばあちゃんのお家の窓をイメージしてつくったアイテムなのだとか。ロジンとセージの香りに癒やされながらお家時間を楽しんで。
長い歳月をかけて錆びついた鉄から放たれる朽ちてゆくもの独特の美しさ。ゆっくりと、でも確実に時が流れていることを感じます。目線をちょっと上げるだけでいつもの風景が変わることに気づかせてくれるのも「鉄窓」の魅力。台湾の家々を個性豊かに彩るレトロな「鉄窓」をモチーフにしたデザインアイテムを、ぜひチェックしてみて。
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